何から言えばいいものか

お疲れ様.今大会は本当にきつそうであった.まあ今回の代表は体力が足りないのもあるが.しかし今試合では4点も取られ,精神的にも辛かった.Hassen氏は途中であきらめて寝てしまったが,彼らは途中でギブアップすることも許されなかった.あと,この大量失点は宮本が出なかったからと思われそうなものだが,おそらく彼が出ていたら前半で3点は取られていたと思う.
どこかのテレビ局は「歴史的1点」と言っていた.どこまで能天気なのか.「歴史的大敗」とすべきだろう.というか今回はむしろ下手に勝たなくて良かったとも思う.onobouzu氏はブラジルに勝って伝説になってほしいと言っていたが,ここで現実を痛感しないとこれ以上の前進はありえない.一時的な気休めは不要である.あと,このブラジルに勝てるようなチームだったら,もともとトーナメント進出は楽勝だったはずである.この時点でトートロジーに陥る.

前半の日本は素晴らしかった.無駄な人員を排除するとここまでシステムが機能するものかねと感じた.とくに玉田の動きとサントスのアイデア,あと坪井の守備は賞賛に値する.川口はもはや言うに及ばず.これまでの試合で,日本は2枚のFWを使えていなかった.そのせいでその負担を全体が請け負う形となり,システムとしての働きが非常にまずくなっていた.しかし今回はシステムの中の各選手が活きていた.玉田の得点もそれを現すだろう.あのロナウジーニョにさえも,きちんとマークの受け渡しを行うことで対処できていた.まあ多くの人員が彼一人に引っぱられるという側面もあったが.

しかしハイペース過ぎた.支配率38%という状態で,いいようにボールをまわされ続けたため,足が止まった.スタミナが少なすぎるのもある.少なくとも中田英を見れば,あのレベルまではプロのサッカー選手たちは動けるはずなのである.だが現状として,結局,ボール回しをする相手に誰もチェックすらできないような状態になった.しかもジュニーニョのミラージュシュートで逆転され,ラインが上げられなくなった.そこをつけ込まれ,中盤の広い空間を好きなように使われた.もはやシステムは機能できなくなり,結果としてこういう形に.野洲高校のおしゃれサッカーを思い出した.まず間違いなく彼らも彼ら以上の技術を持つチームと当たるとこうなる.だから彼らが優勝してあのサッカーが日本の主流になってしまうことを非常に恐れた.高校サッカーはスピードとパワーだというF先生の教えは本当に核心をついている.結局はこのレベルの大会でもそこに行き着くんじゃなかろうか.握力×体重×スピード=破壊力なのである.

はっきり言って,今回のグループFというのは日本にとって非常に都合のいい組み合わせであった.ブラジルがいるとはいえ,他はザコである.この組で一勝も出来なかったのだ.現段階の日本は弱すぎると実感した方がいい.今年から開校されるサッカー中高一貫専門校からどんなのが出てくるだろうか.今の日本の弱点は多い.一人で状況を打開できるようなFWが全く揃っていないのはもちろん,サイドがいないのも痛い.しかし一番重要なのは,「黄金の中盤」と呼ばれる選手達と,試合中に誰もポジションチェンジすることが出来ないということであろう.そのせいで,ダイナミックなシステム変更が全く出来ていない.全ての選手が定位置にいるしかない.これじゃ攻められないよ・・・トータルフットとまでは言わないが,各ポジションを高度に専門化するのもどうかと思う.

精神面はどうか.逆転され,加点され,こちらとしては点を取るしか無い状況にもかかわらず,ボール奪取もせず,前にも出ず,ラインも上げずにいったいその試合で何をするのか.何を目的に試合をしたのか.早く試合が終わって欲しかったのか?直前に見たチェコネドベドと好対照であった.彼は2点差で負けながら,最後まであきらめていなかった.同じグループリーグ敗退でも,チーム力は当然のことながら精神面でもチェコと日本では正反対だ.この辺,なんとかならんのか.「勝つ」ということをなんだと思ってるのだろう.




まあ俺ごときが何を言っても仕方が無い.とにかく選手スタッフ国民のみなさんお疲れってこった.



追記
高原は最後まで高原だった.あと,最後までオレンジレンジのあの曲は不快感を募らせてくれた.



お疲れさま日本国憲法

お疲れさま日本国憲法