作業の気分転換に


あくまで作業の気分転換に,「黒い家」を見た.すごかった.そもそも黒い家は暗い家だった.邦画でよくあるパターン,暗すぎて何が起きてるか見えない.あと,これも邦画特有だが,主役の若槻こと内海氏の声が小さすぎて何言ってるかわからないシーン多し.でも面白かったです.若槻はまるで只野係長の日常形態のような駄目さぶりを上手に演技していてすごかった.さらにキャストとして主役の内海氏よりも前に書かれるお二方,大竹しのぶと西村雅彦は,肉体的にも精神的にも演出を施していていた.まずしのぶがなぜか激爆,西村雅彦は途中からてんぼ.そして二人とも超キチガイ.もっと言えば心理学系の主人公の恋人も途中から既知外.心理学の先生も完全なKitty Guy.出てくる奴ら全部きちがい.基地外だらけ.また,途中,ユンギアンが好きそうな言葉が連発されたりするが,ああいうのを「心理学」と紹介されると我々などは本当に困るなあ.ちゃんと深層心理学とか臨床心理学とか,せめて精神医学とか少しでいいから限定した言葉で紹介してほしい.劇中では犯罪心理学とも言っていたが,字面だけ見ればそのままだが,さすがに犯罪心理学が何をやっているか知ってる人も少ないだろうに.「催眠」のときにもあったが,これ系ではいつもこうだ.
現役最高といわれる大竹の演技だが,俺には受け入れられないときがけっこうある.今回も慣れるまで時間がかかったが,やはり最後はひきこまれた.着信アリやロッカーなどとは違って,演技派がサイコホラーに出ればやっぱり映画が締まる.そしてエンディングテーマがm-floのしかも俺がかつて大好きだったchronopsychologyだった.この曲はいつも黒い家のテーマですと紹介されるので,その時から「黒い家」の名前だけは知っていたのだが,実際に見れて良かった.いつも聴いてたこの曲の冒頭でなんでボーリングの音が入ってるのかということも完璧にわかった.よかた.そしてまさに俺が今やっている研究分野がchronopsychologyだ.


クライマックスでの邦画史に残るしのぶ先生の衝撃シーンがこの映画の全てか.みてない人がもしいたらおすすめします.






黒い家 [DVD]

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