やめちゃた

被爆者に「申し訳ない」=久間氏が辞任会見
7月3日21時1分配信 時事通信


 久間章生防衛相は3日午後、防衛省内で、辞任の記者会見を行い、原爆投下を「しょうがない」とした自らの発言について、「不用意な発言だったと反省している。全国の被爆者、後遺症に苦しんでいる人、いろんな方の心情を思うときに大変申し訳なかった」と改めて陳謝した。
 久間氏は辞任の決断について「きょうの昼。午前中あたりから、与党として困っているんだなと感じ始めた。参院選を控え、自民党だけでなく公明党もやりづらいかなと感じた」と説明した。これまでの「失言」に関しては、「脇が甘い。もう少しきちんと言葉を選ぶ責務があった」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000211-jij-pol

Q間氏の発言,「原爆投下はしょうがない」が完全に既成事実化されてしまった(参考).これはGradual change blindnessなのか.反復して呈示されている間に徐々に表現が変化していったために,もはやみんな元の表現を思い出せなくなっているのではないのか.そういえばマシーン柳沢先生の発言も「女性は子を産む機械」が事実とされているようだ(参考).個人的にはぜひこの公演を聴いていた大学生に感想を伺いたいのだが...2とかを探したらどっかで語ってるのかいな.しかし探すの超めんどい.
それにしても今回は本当に日本人の核アレルギーをつぶさに観察できたと思う.この件に関してかなりヒステリカルに反応している人々を多く見た.「同じ日本人なのに,なんでこんなこと言えるのか信じられない」って,そりゃそうだろ,「原爆投下はしょうがない」なんて多分本人も思ってないんだから.発言が一人歩きするとはまさにこのこと.これで(特定の)他国に「日本は核落としてもしょうがないで済むんだヒャッホウ」とか思われたら,それは本件を最初に捻出した記者の責任だと思う.まあそんなこと考えもせず参院選用の材料としか見てなかったんだろうがね.まあこれで一度民主党に勝ってもらうのも面白い.彼らに何ができるのか確認することができる.
今回の件は,みんな批判しやすかっただろう.核は日本では絶対悪になっているため,Mr.Qを批判する際の自分の立ち位置がものすごく強固だ.核が悪であることはもはや疑う余地も無い前提で,絶対正義の立場で自信を持ってQさんを存分に否定できた.売国奴って言ってる人もいっぱいいたな.おやおや,これは翻せば戦前の日本の社会的価値観形成と同じ流れではないのか.天皇絶対主義は前提を疑うことの無い価値観だったと思うが.朝日新聞さんにはこの件では軍靴の音は聞こえないのか.
ところで今回の辞め方は最善ではないと思われる.最も良かったのは安倍氏が発言直後に即切る形で辞めさせることであった.そうすれば求心力の低下を僅かでも防ぐことができただろう.やはりリーダーシップに欠ける.まあ,Qさん,多分もともと辞めたかったんじゃないのかなあ...と思ってしまった.