アーミッシュ事件


「私を撃って」*1の件で,一気にその美談的性質だけが強調されるようになったが,個人的にはこの事件はとんでもない示唆を含んでいるような気がする.アーミッシュといえば,近代文明を排除し,武器も持たない完全平和主義者である.アメリカ政府から,有事でも軍事に携わらなくていいように認められている.そんなところであっても,キチガイが現れればこんなに悲惨な結果となる.

近年,無防備都市宣言という考えが蔓延し始めている.この考えは,そもそも国際法を曲解したものであってなんら正当性も有効性も保障されていないのだが,それを考えないとしても,その根幹にあるのは「無防備な私たちをわざわざ武器で攻撃してくるものなどいるはずが無い」という幻想である.しかしながら,すべての人間が常に合理的に行動することはないということもはっきりわかっている(Tversky & Kahneman, 1973).さらにこうしたキチガイが現れれば,(なんせ意思無能力者として犯罪が無効にされるくらいなのだから)合理的な行動を期待することなど到底不可能である.

奇しくも本日,近所のキチガイ国家が核実験を行った.念仏平和主義でこいつにどう対応する?





气ちがいではない

气ちがいではない

*1:年下かばい「私を撃って!」…アーミッシュ校射殺事件
2006年10月7日(土)20:31

 【ニューヨーク=大塚隆一】米東部ペンシルベニア州ランカスター郡にあるキリスト教の一派アーミッシュの小学校で2日、女子児童ら5人が近くに住む32歳の運転手の男に射殺された事件で、死亡した13歳のマリアン・フィッシャーさんが年下の仲間を救おうと「私を最初に撃って、ほかの子たちは解放して」と訴えていたことが分かった。ロイター通信などが6日伝えた。
 肩と手足を撃たれながら一命をとりとめた妹(11)が家族に語った。この妹も「次は私を撃って」と訴えていたという。最初に撃たれたのがマリアンさんだったかどうかは分かっていない。

 男は散弾銃など持って教室に乱入。人質に取った6〜13歳の女児ら10人の足を縛って黒板の前に並ばせ、次々と発砲した。