いやあ,やはりすっげえや


「放送禁止5〜しじんの村〜」を見た.いやいや,なかなかクオリティが落ちませんわこれ.これと「すべらない話」の二つは,費用対効果ならびにアイデア,メッセージ性,エンターテイメント性では近年のテレビ番組の中で到底並ぶものが無いほどの秀逸番組である.糞みたいな素人いじり番組ややらせ恋愛番組ややらせまじない番組やニュース風偏向番組などが跋扈する中,これができるのがすごい.この二つの番組のおかげで,テレビにもまだ希望が残されているなと思う.そういやどっちもフジだな.フジとテレ東以外はとりあえず無くなっても困らないよ.さすがに抗議殺到のためか(「抗議」については後にいじめ問題も含めてたっぷりと述べる)いつもは最後に出てきていた例の文言がなんと冒頭にも呈示されるようになった.これは製作者側からすればもう企画破壊級の最大限の譲歩だと思われる.

今回の見所は,なんと言ってもまずはハニコに尽きる*1.激●えでありかつ激●であった.ほんとやばかった.そして,今回はみんなの演技がかなりリアルになっていた.そもそもこの番組ではこれまで恐らく意図的に演技を演技っぽくさせていたふしがあったのだが,今回は冒頭の文言で譲歩した分,内容をかなりリアルにしてきたのじゃないかと勘繰る.なんせ今回は,いつもその自慢の絵であからさまなヒントを出し続けてくれていた子供が出ていない.それだけで格段に謎解き要素がランクアップする.

ちなみにハニコさんもはてなユーザーだった
コメント欄(なぜか出演者のブログなのに)で激しく意見が対立しているが,こうして批判意見が大量に出ることもインパクトのある作品の条件のひとつだと思う.個人的には,OTO_さんが根本的に勘違いしている点は,この番組は「自殺問題」に警鐘を鳴らしているわけではないということであると思う.もう一段階メタなポジション*2で,「その報道のなされ方」自体にスッポトを当てているのだと思われる.そこを理解しない限り,見た後には不快感しか残らないだろう.信念ベースのトップダウンなバイアスがここまで同じものからの情報取得を偏らせるかねということを示すいいサンプルだったよ.

個人的には,俺が昔からずtttttttttttttっと思ってきた,みつをあるいはみつる的表現のファッション的な扱われ方とその危うさについても暗黙的に言及してあって(たぶん),時代が変わってきていることを感じた.思えばあの頃からくらいかなあ,「こころ」を商品化する社会が始まったのは..かつては彼らを批判することすら許さない雰囲気があったよ.核保有議論と同じだね...言論自体が感情的に非難されていた.でもこれらの風潮も見直され始めている.

内容とその謎解きについてはあまたあるブログ等で存分に披露してあるので,いまさら俺が言うことも無いが(あと言うとはっさんが怒るので),いちお出しとくか.今回初めて「続きを読む」を使用してみっかこれ.あ,でもRSSで直接この日に飛ばれたらどっちにしろ丸見えなので,一応下の方に移動させとく.はっさん気をつけて.



放送禁止 DVD封印BOX

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やっべこれまじで買おうっと.











・しじんの村
看板が斜めになっていて,「しにんの村」と読める
「しじんは しじんであり しじんにあらず」→「しじんは 死神であり 死人にあらず」.これも「じ」の点の打ち方でそう読める.

・おばさんとはげたおっさん
フクさんとシュウさんとで「復讐」.最初に大写しになったT君の写真にもろ出ている.これに意識的に気づけないのがまたなんとももどかしく,憎らしい.彼らはしじんに復讐しようと村に潜入しており,ハニコが臥せっているときにも彼らが様子を伺っていることがガラスに映りこんでいるし,ハニコのインタビュー中も遠くで見守っているし,ハニコの自殺未遂現場には彼らがいつも最初にかけつけているし*3,二度目のときはしじんをすごい目で睨んでいたし,クルーが取材を終えて帰るときも,しじんをじっと見ている.フクさんのインタビュー中「いやなことは忘れられそうですか?」と聞かれた際,後ろにいるシュウさんの顔色が変わり,「そうは行かない」的なことをつぶやいている.余談だが,奥さんのほうはニクソンに似ていた.

・しじんの詩
ねねねね→死ね
「人が最も美しい時 それは生と死の間」及び「死にたいのなら 死ねばいい」さらにしじんの台詞「人間は死ぬ瞬間に後悔する」→だからそれを見たい.ハニコの二度の自殺未遂現場で,しじんは常にビデオカメラを持っていた.しじんのインタビュー中,後ろにはSカルマとハニコの姉の死んだ日の日付のテープが置いてあった(もっと言えば,3年前にT君が死んだ日のもあったと思われる).さらに,監視カメラでしじんはいつでも自殺現場に気づいて駆けつけることができた.もっと言えば,みんなで飯を食うシーン,ウッチーと手前の女性の配膳が明らかにおかしい.ウッチーにはスープしか与えられておらず,手前の女性には牛乳が与えられず,代わりにコップにスープが入れられており,りんごとかしかないのに箸が一本だけ置かれている.これはしじんが彼らを自殺へ追い込んでいると思われる.極めつけは,最後にはしじんはインタビューで「私はこれからも自殺志願者の手助けをしていきたい」→幇助をほのめかしている.現に,ハニコの姉の遺書にもそういった趣のことが書いてある.

・名前
フクさん,シュウさん,Sカルマさん,ハニコさん
「フクシュウ カルマハニコ」→「復讐すべきカルマは二個」あることを示している.一つはT君自殺事件,もう一つはハニコ姉自殺事件であることが示唆される.



とまあこんな感じか.もっとよく見直せば,まだまだありそう.onobouzuさん,どうでしたか?

*1:そもそもこの番組には必ず一人飛びぬけている(かつ知名度が決して高くは無い)のが参加している.いつもびっくりする.

*2:みわごろ先生ごめんなさい

*3:これらは放送禁止1「廃ビル事件」で良く使われていた手法