シーフにやられた(かも)

私は週に何回か夕涼みに出ている.昨日も出た.そんで,以前鍵を落っことして大慌てで探す羽目になったことがあったので,危険とは思いつつも集合郵便受けの中に鍵を隠して出発する.昨日もそうした.そんで1時間ほどたって戻ると,郵便受けに鍵は無い.ちょ,なんだよこれどうしちまったんだよおれってばよ!!と一瞬パニックに陥ったが,とりあえず自分の部屋に行ってみた.鍵は閉まっている.まさ,賊が中にいるのか?中で俺のいろんなひみつ道具を漁ってるのか?と思い,扉に耳を直付けして中の様子を探ってみた.コツコツコツ..と足音的なものが聞こえる.やっべ,これやっべ,い,いや,しかし,扉に周囲の音が響いているだけかもしれない,そ,そうだ,俺が最初に鍵見つけそこなっただけだよ,きっとそうだと思い,いちお郵便受けを他人のまで開けまくって確認した.糞チラシ用のゴミ箱の中まで調べた.しかしやはり無い.もう一度部屋の扉から中をうかがうと,やはり足音的なものが聞こえる.これはやばい.と思い,マッポを呼んだ.しかし,呼んでいる途中で,うちの部屋あたりから人が出てきた.しかし遠すぎて (電話するために一時退避中であった) 本当に俺の部屋からかどうか確認できない!!!!両眼視差輻輳が使えないために奥行き知覚がかなりあいまいになってしまっていたようだ.しかも俺は目が悪いので単眼情報も使いづらかった.とりあえず,そいつがもしうちから出てきており,しかも逆切れ火病しそうな腐れ朝鮮とかだったら非常にやばいので,さらに距離をとった.他にも通行人が現れたりしたのでちょっとどれがどいつか分かんなくなってしまい,俺もかなり現場から離れてしまった.そうこうしているうちにコップが登場した.しかも部屋の前の廊下まで行くとすでに10人ほどスタンバイしている.多!!!!しかも超怖!!!見るからにTSUEEEEEEEEE!!!!みんな棒持ってるし!!!!どう見ても893にしか見えないのもちらほらいる.しかもキングスライムになるタイプのスライムのように,とんでもない勢いでなかまをよんでいる!!!!最終的には20名ほどにまでなった.玄関とベランダ側から挟んだ.中にまだ賊が潜伏している可能性もあるので呼びかける.反応は無い.仕方ないので鍵の110番を呼んでバールのようなもので扉をこじ開けることになった.番号分かりませんよというとサツが呼んでくれることに.そう,110番が鍵の110番を呼んだのである.俺は少し感動した.しばらくすると,鍵の110番が現れた.やや緊張した面持ちである.棒切れを装備した大量の警官の中で,鍵の110番は見事,鍵を開けた.おまわりたちの緊張感が高まった.ちょっと嬉しそうににやり顔している人もいた.こいつ絶対人を殴るの好きだよと思った.全員が棒切れをシャキンと伸ばした.しかもなぜか俺も最前列に立たされた.「中に被疑者がいた場合,確保する際に土足で踏み込むが,いいね?」と確認された.私は,もちろんですと答えた.私も少し武術的な構えを取った.そして突入ッッ!!!!まずはごついのがどどどどっと踏み込んだ.「風呂,よし!」「トイレ,よし!」「被疑者,いません!」との声が.そして,「こ,これは...かなり荒らされたな...ちょっと入ってきて,盗られた物を確認して」といわれ,私は部屋に入った.そして,「い,いや...違うんです.正しい...これはとても正しい状態なんです..ポリス」「?・・・どういう意味だい?」「部屋を荒らす...それは決して盗賊だけがやることではない...盗賊だけがこの状態を作れる訳ではないッッッ!!!」「ま,まさっ」「その通りです...部屋を出たときと何も変わっていません.盗られた物も...無いようです」とのやり取りの後,あーあ,ったりいな的に警官たちはぞろぞろ引き上げていった.これで,満足だね?とか言われて,ちょっとまるで俺が狂言を演じたみたいな雰囲気もあった.その後,いろいろと防犯に関する忠告を受け,何回も別の人に名前とかを伝え,鍵を取り替えた.俺の夜は幕を閉じた.

疑問が残る.俺は確実に鍵をポストに入れていった.ではなぜそれが無くなったのか?いちお夕涼みの際に通った道は全て確認してきたが落ちてはいなかったので,俺が無意識にポストに入れ忘れ,しかも入れたと思い込み,しかも知らずに落としたという可能性は低いと思われる.あくまでどこかの賊が鍵を奪取したとして,ではなぜ何も盗らなかったのか?財布は結構分かりやすいところに置いていた.しかし手を付けていない.では,入らなったのか?しかしそれはなぜだろう.俺の行動パターンを熟知して,俺が完全に家を空けるときに改めて侵入しようと考えていたとしても,俺は鍵を外に置いて出て行ったわけだから現在鍵を持っていない.となると鍵を交換するのは当然だししかも俺が以後警戒するのも確実である.その方略には何の得も無い.それすら分からない間抜けだったのだろうか.じゃあ偶然俺が鍵を隠すところを見た行きずりのカスがイタズラで鍵だけを持ち去ったのだろうか?まあその可能性も捨てがたい.いずれにせよ,非常に気持ち悪い.さっさと引っ越したくなった.あと,鍵束には研究室の合鍵も付けていたので,技官氏に合鍵が盗難に遭ったことを伝えなければならない...実はこれが一番きつい.下手するとみんなが持ってる合鍵全とっかえになってしまうかもしれない.これは非常に心苦しいし,きっと俺が弁償だろうし,気が重い...