携帯からの非はてなユーザーによるコメントについて
モバイル版はてなダイアリーでのゲストコメント制限を実装いたしました
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20080418/1208492844
という訳で,はてな当局の手によって,携帯からのゲストコメントは強制的に不可能にされてしまいました.また,これまでのゲストコメントも非表示になりました.したがって,携帯のゲストとの交流はかなり制限されたことになりました.総務省のお達しのせいだと説明されていますが,他のブログサービスを見てもこんなことにはなっておらず,ということはこれははてなユーザーの囲い込み以外の何物でもなく,はてなダイアリーのブログツールとしての利便性は大幅に損なわれたことになります.しかもこのことはモバイル版はてなダイアリーの画面上では一切説明されておらず,このような記事を用意しなければならなくなりました.運営側の配慮が欲しかったです.(※21日現在,モバイルはてなダイアリー画面にて簡易な説明が付きました.これができるならON/OFF設定の設置くらいすぐにできそうなものなのですが...)
ですので,もしこれまで携帯から閲覧なさっていた方々がいらっしゃいましたら,突然ご自身の投稿が消えていたり,コメントできなくなっていたとしても,それは私による締め出しなどではなく,当局による一方的な仕様変更によるものであるとご理解いただきたく思います.
ちなみに,PC版での変更点はありません.ゲストの方でもこれまでと同様にお使いいただけると思います.
個人的には,今回のはてな側の措置に疑問が多々あります.特に,腐れリンクなどによるカスサイトへの誘導などに対する低年齢ユーザーへの安全対策としてはほとんど機能していないと思います.まず,はてなは他のブログツールと比べて投稿用APIを設置していない分,不健全な腐れスパムコメントなどが送られにくいという利点がありました.ですのでコメント欄が非表示にされても元々スパムは(他社サービスと比較して)多くないので特にこれ以上安全性が向上することはないと思います.次に,携帯からのコメントを規制する意味は皆無だと思います.腐れリンクを含むようなスパムコメントはPCから送られています.よって少なくとも携帯からのコメントを規制しても無意味です.最後に,このような措置は表面的でアドホックな気休めにすぎません.こんなことよりも,そんな腐れリンクをまざまざと踏まないような情報リテラシー教育を充実させるべきです.フィルタリングで有害情報から隔離するだけでは共産圏の情報統制と変わりありません.しかもそんな小細工を弄していても,そうした有害情報との接触を完全に遮断することなど不可能です(はてなでのみ規制しても無意味).それよりも情報の扱い方を学ぶべきです.それが不可能なほどの若年ユーザーに対しては,そもそもウェブ閲覧機能付きの携帯電話を持たせるべきでないと思います.防犯のためと言って幼稚園児にスタンガンを持たせても逆に危険が増すことと同じです.そこは各家庭でコントロールすべきことで,はてなや総務省などが干渉することではないと思います.
もう一つの考え得る安全問題としては,低年齢学生間のブログ荒らしが挙げられます (金八であった「学校裏サイト」的なものも含まれそう).明言はされていませんが,おそらくはてなはこれを防ごうとしている可能性が高いと思います.これだと確かに非ユーザーによるコメント制限はある程度の効果を生むことが期待できます.しかしながら,フルブラウザ携帯の流れが進んでいる昨今では,この措置はじきに意味をなさなくなります.また,これだけPCが普及しているため,この効果は学徒が学校に行っている昼間のみにほぼ限定されます.その程度しか効果がないにもかかわらず,携帯からのコメントをトップダウンですべて規制するのはむしろ弊害が大きいと思います.たいていのブログははてなユーザー以外からもかなりの割合でコメントされるはずで,それが非表示にされてしまうと,はてなユーザーと非ユーザー間のコメントのやり取りが跳び跳びで意味不明になります.また,(自由に書き込みできる「PC」から)自分の日記へスパムコメントが送られても,日記の著者は携帯からではそれに気づくことができません.上記した1番目の理由を思い返すとまさに本末転倒です.せめてこの機能はユーザー設定による選択制にすべきです.我々までKids設定に強制的に変更される意味が分かりません.
こんなことをしていたら,はてなからの退会者が確実に増加すると思います(例えばこれ).はてな側としてもつらい決断だったのかも知れませんが,もう少し検討していただきたいです.