紳助騒動

この事件に関して知人達と語り合ったことは無い.まず,語り合うほどのことでもないし,どこに糞フェミが潜んでいるかわからないからだ.私の論調からして,馬鹿フェミたちから感情的な攻撃を受けるであろうことが明白であるので,怖いのだ.俺は元来フェミニストと呼ばれるほどに女性優先主義であるにもかかわらず,客観的論旨のみで「人格を否定するような動き」が起こる可能性があるのが本当にf***ingなのだ.

事の顛末はすでに誰もがご存知のとおり,伸介がジャーマネに暴力を働いたというものだ.すでに伸介は公的に2度謝罪をしており,略式判決で罰金も決まっている.本人が認めているのだから,暴力の有無は事実なのだろう.

しかし気になる点がいくつかある:
1. 伸介は本当に「5,6度も殴った上に壁にたたきつけた」のか?
2. ジャーマネが急性ストレス障害PTSDの黄金ルートをたどったこと.
3. 「伸介の記者会見は嘘泣きだったので,卑劣」とは?

1について.
男の腕力で殴った.しかもPTSDになるほどに.しかし事件直後の診断書にはそれによる外傷については触れられてない.すなわち,外傷は無かった.代わりにあったのは自己報告だけで診断できる頚椎捻挫.なぜもっとも判りやすい打撲傷や擦過傷が皆無だったのか.この点が非常に不明確である.また,捻挫の程度も時間を経るにつれて増大していき,現段階では全治6ヶ月に達している.
伸介の復帰が早すぎるという声がある.「ちゃんと被害者と和解してから復帰すべき」というものだ.しかしジャーマネは面会を拒否し,しかも時間とともに被害が増大していくのでそれはかなり難しいと思われる.

2について.
急性ストレス障害は,4週間以内にストレス反応が消失して初めて下される診断のはずなのだが,その後,1ヶ月以上ストレス反応が持続したときに下される診断であるPTSDが起こったことは明らかに矛盾している.なぜ初診結果が急性PTSDではなかったのか.この点も疑問である.

3について.
嘘泣きってなんだろう.涙が分泌されたら本泣きなのではないのだろうか.より歩み寄った狭義の嘘泣きとして,「涙流して心で笑ってる」状態をあげることもでき,伸介批判派はこの立場だと考えてよい.「伸介はあの明らかな嘘泣き会見で卑劣さを呈した」って,なぜ赤の他人が伸介の心内にまで勝手に言及できるのだろうか?心が見えるのか?心理学100年以上の研鑽の結果でもその極意はまだ得られていないというのに...加えて,伸介が会見で嘘泣きができるような要領のいい男だったら,怒って暴力なんか振るうだろうか?この点も伸介批判派は矛盾をきたしていると思う.


暴力と法的行動という違いはあれども,今回,伸介とジャーマネは相手に対して力を行使した.法と世間常識との乖離が叫ばれる昨今,この二つの力が合法であるか違法であるかということそれ自体は,物事の正当性についての議論の上で必ずしも適切な指標とはなりえない.伸介擁護派の主張は「ジャーマネが常識はずれで,殴られても文句は言えない」であり,ジャーマネ擁護派は「伸介はこれまでたくさんの暴力を振るってきており,しかも相手は女が多い.こんなやつを公共電波で流すな」である.2chでは事件直後,まるで春先の桜の木に群がる毛虫のように大量に現れたアンチ伸介による醜い伸介叩きが行われた.それに対してジャーマネの人格を否定するような汚らしい動きもあった.さて,彼らはこの当事者2人の「実際の」人格をどれだけ把握しているのだろうか.どこにそれを言える自信や根拠はあるのだろうか.どちらが正当かという議論は,もともと不可能なのではないか(非暴力原理主義者によれば,暴力を振るった時点で伸介の悪が100%確定らしいが,私は特にこのケースに関してはそう思わない.)?

Markus & Kitayama (1991)によると,他者との関係の中に形成される自己観によって,物事への認知や行動は規定されるという.伸介はまさに日本人的な自己観を持っていると考えられる.それは,他者と自分とで自己の要素を共有している相互依存的自己観である.伸介は自分が中傷されたりしたから怒ったのではない.自分と自己観を共有する木村への非礼に対して怒ったのだ.この怒り方は日本人特有のものといえよう.一方,ジャーマネは西欧からの帰国子女らしい(これも不確定ソース.この事件に関しては有名なくせに不明確な点が多すぎる)が,案外それに合致して,西欧的な自己観を持っているように思われる.それは他者からの独立によって形成される,独立的自己観である.彼女が主に自分への暴力に対して怒りを覚えたことがそれを物語る(まあかなりケースは異なるが).この対比は面白い.

この事件について,俺は特に志ん輔の擁護派ではない.だが,「この事件に関する議論」については多くの疑問を抱かざるを得ない.真介派・ジャーマネ派,各自さまざまな憶測を好き放題に放言し,さらに自説にとって不利な情報からは意図的に目を逸らしている.あまりに長くなりすぎたので,うまくまとまらないが,とにかく,この件に関する議論自体がなんかむかつく.プンスカ.