西洋人と東洋人では映像の見方や記憶の仕方が異なる

西洋人と東洋人では映像の見方や記憶の仕方が異なる

異なる文化を背景に持つ人は異なる認識の仕方をしている、とする研究報告が増えている。米Michigan大学のHannah Faye Chua氏らは、米国人と中国人に同じ写真を見せて眼の動きを観察し、背景と対象物に対する視線の向け方が異なることを見出した。これは、認識処理の違いが、知覚の段階から始まっていることを示唆する。詳細は、米科学アカデミー紀要(PNAS)誌電子版に2005年8月22日に報告された。

Chua氏らは、認識処理における文化的な差は、処理過程の最初の段階である目視パターンの差に由来すると仮定した。見方が違えば、記憶も認識も異なるはずだ。これを証明するために、同大学の大学院生から、欧州系米国人25人と中国からの留学生27人を選んで実験を行った。
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/medi/394887

90年代初頭に,文化ごとに認知・思考・行動が異なるという考えが提出され,それが知覚や記憶についてもそうであることが後に確認されていたが,いまになってこういうのが出てきたか.ちなみにPNASのリンク↓

Chua, H. F., Boland, J. E., & Nisbett, R. E. (2005). From The Cover: Cultural variation in eye movements during scene perception. PNAS, 102, 12629-12633.
http://www.pnas.org/cgi/reprint/102/35/12629

眼球運動が違うから認知処理が異なるというのはいささかどうかと.なぜ眼球運動が違うんかい?この研Qではそうした因果関係を見出すのは難しいんじゃないのかなあ.話を注意移動の違いに持っていくとしても,それを確認しといてほしかったなあ.大体,眼球運動開始以前に超高速視覚カテゴリ化のようなシーンの前処理はすでに終了している(たしか12msでもできると以前言っていた).
ま,いいや.