七日目


学会はラスツであった.この日は私がセッコンド(スゴーンド)で共著している論文が引用される可能性大とのことでその発表を見に行った.まさかトークとはね・・・発表が始まった辺りで私は思い出した.そういや俺目が超悪かったんだ・・・と!!!不幸にもなぜかそのときO野先輩が同席しており,彼はめがねを着用していた.いつもならばO野さんは主にポスタ会場に生息していたので特定のトークの時間だけめがねを借用することも可能であった.しかし今回はそれができないのでがんばって見た.内容は,まあ次にはそれをやるよね的なものであったが,問題は私の名前が大勢の強そうな外人(最終日なので少ないが)の前で高らかに読み上げられるかというところであった.勝機は半々であった.なぜなら著者が3名以上の場合は一人目の名前だけを表記し,二人目以降を通常「et al.」で略す.しかし場合によっては3名ぎりぎりならば全員読み上げる可能性も少なからずある.二人目に入っている私の名前までついでに呈示されるかどうかが肝であった.しかも彼らは我々の方法論を使用しており,けっこう重要な文献のはずだ!これいけるか!!!!とか思いながらドキドキして聞いていた.後に聞くとO野さんもちょっとどきどきしていたらしい.

その現象の説明が多くの文献の引用とともに始まった.引用んとこの名前ちっちゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!発表者自身の論文でさえ!!!!!!しかも白地に黄色で書いてあって超見にくい!!!!!!!これやっべ!!!!!!!しかもet al.て書いてある!!!!!!!!!!私は学会で初めて戦意を喪失した.そしてあまりの恐怖と絶望に涙した.これも初めてのことであった.

とりあえず,話の内容が実験方法に移った.うんむ!!!!なんか引用が青で書いてある!!!ちょっと見やすい.うんむ!見える!このめしいた私にも見えるぞ!!!!!青き衣が!!!金色の地に!!!あれは!!!!!!!我々の論文だ!!!そして.....et al.て書いてある!!!!!!!!!!!

ぐぐぐ,い,いや,まだだ....屈強な外人(準備係のタイソン級の黒人含む)の視野内に私の名前が出る可能性は潰えた...しかし,しかしまだ聴覚的に呈示される可能性が残っている!!!!!!!書いてある文字とは裏腹になぜか大声で俺の名前を外人が叫ぶ可能性が残っている!!!!!!!!とか思ってたらすぐに「●●● et al.」てもろゆった!!!!!!!!!おわた!!!!!!!!!!!!!

トーク終了後,O野さんに「いやあ,まあ残念でした」というと,「え?いつ出たの?」とのお返事.引用されたことにすら気付かれていなかった.しかしまあ少なくとも,MIBさんおめでとうございます.俺も絶対に略されない順序で引用されるよう頑張らないといけない.

学会後,だらだらしながら少しづつ帰国準備を始めた.明日は午前4時出発とも午前1時出発とも言われており,朝が超早い.O野さんはそれに備えて超時空瞑想に入った.今日発表だったアリゴ氏も,高校の頃に仕込まれたのかとても安らかな寂黙を始めた.






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