αの奪い合い


今回の選挙も前回と同様に完全なイメージ戦略の対決となった.前回は自民が郵政民営化に焦点を絞る方略で出たため,それに対する対案を何も持たない民主側は存在感を失っていた.その結果を招いたのは他でもないマスコミであった.小泉氏はよくマスコミを利用してイメージアップを成功させたと思う.つまり,前回の自民の大勝はマスメディアに踊らされた人々(α)がいっせいに自民に飛びついたせいであったと考えられる.一方,今回はマスコミがそれを反省し,何でもいいからとにかく自民だけのほころびを徹底的に探し出してひたすらアナウンスしまくった.民主はマスコミと組んで自民のイメージダウンを誘うことで相対的に自らのイメージを上げる方法で来たわけだ.原爆もマシーンももちろんだが,特にそれが顕著に見られたのは田中真紀子の麻生氏アルツハイマー発言である*1.麻生氏が言うと失言で差別発言であり,真紀子氏が言えばただの毒舌で批判だそうだ.もう毒舌とか言う言葉で丸め込むのはやめてくれ.これはただ単に人格攻撃の中傷であり,しかも「口の曲がった」などと身体的特徴まで引き合いに出して罵倒している.それにこの件についてはほとんど報道されていない.民主のイメージが下がるからだ.あまりに偏りすぎる.とにかくこういったイメージ操作が成功して今回はαが民主側に動いた.近年の選挙はただのαの奪い合いだ.おかげでイメージ戦略ばかりやりあってるもんだから本質的な議論などほとんどなされなかった.両者,非常に重大な糞法案を提出してるのにそれには突っ込まずじまい.はーあ.てかそこまでゆらゆらイメージに流される人々はいったい何なんだ.



そういや,祝電が来てたね.



自民大敗当然の帰結」…北朝鮮

 【マニラ=花田吉雄】北朝鮮外務省のチョン・ソンイル国際機構局副局長は30日、滞在先のマニラ首都圏のホテルで記者団に対し、参院選自民党が大敗したことについて、「日本の政治を正しくできなかったことに対する当然の帰結だ。日本国民が自民党に審判を下した」と語った。

 また、「安倍政権は朝日関係改善に取り組む姿勢が見られなかった。過去を正しく清算する意思がないなら相手にする必要はない」と述べた。

(2007年7月30日13時41分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin2007/news/20070730id05.htm

自民大敗 韓国、対北政策変化に関心「強硬政策の手直し不可避」
7月30日10時46分配信 産経新聞


 【ソウル=黒田勝弘】韓国は参院選での自民党の敗北について、年金問題や閣僚スキャンダル、格差問題など内政上の相次ぐ悪材が原因としながらも今後、安倍政権の弱体化によって対北朝鮮政策に変化が生じるのでないかと観測している。
 韓国マスコミは30日、一斉に「自民党惨敗」を大きく伝え、安倍政権の行方や政界再編成、政権政権交代の可能性などに強い関心を寄せるとともに「対北強硬政策の手直し不可避」(ハンギョレ新聞)「改憲構想後退」(東亜日報)「保守・右翼傾向を進めてきた自民党の変化が注目される」(韓国日報)などと展望している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070730-00000911-san-int

←まさにこれ

*1:麻生氏こそアルツハイマー=批判しつつ発言−田中元外相
7月28日19時1分配信 時事通信


 田中真紀子元外相は28日、鳥取県米子市内で開かれた民主党の演説会で、アルツハイマー患者を引き合いに出し中国へのコメ輸出を奨励する発言をした麻生太郎外相を同じ患者に例えて批判した。
 田中氏は「口の曲がったわけのわかんないおっちょこちょいの外務大臣が、中国のコメと日本のコメの(価格の)計算が分からないからアルツハイマーだと言ったが、そんな自分(麻生氏)がアルツハイマーだ」と指摘した。田中氏の発言は、少子高齢化の進行で「年金の給付ができなくなったり、介護保険も大変だったりしている」と現行の社会保障制度の維持が困難になりつつあるとの認識を示す中で飛び出した。